高校時代の恩師も太鼓判! ロッテの未来は新旧“ダイナマイト”山本大斗と石川慎吾に託したいこの「文春野球」で書く最後のコラムは、ふたりの“ダイナマイト”と決めていた。20年の育成ドラフト3位指名から昨季支配下契約を勝ち取った期待の3年目・山本大斗と、今年7月3日に小沼健太とのトレードで巨人から加入した12年目の石川慎吾。プレースタイルは異なるも、ともに高卒からのプロ入りで、ともにパンチ力のある右の外野手。図らずもロッテで並び立つことになった新旧“ダイナマイト”は、いかにしてプロへとたどり着いたのか。その大きな“ターニングポイント”である高校時代の恩師に、彼らの素顔をうかがった。27Sep2023文春オンラインインタビューコラム千葉ロッテ野球
吉井監督も絶賛の“陰のMVP” とにかくうるさい大下誠一郎にはロッテに染まらず“つっぱり”続けてもらいたいシーズン最終盤までオリックスと優勝争いを演じた2年前。さまざまな制限のかかったコロナ禍の球場で、ぼくらは“生音”オンリーで観るプロ野球の新たな楽しみ方と一緒に、大下誠一郎のやかましさをまざまざと知った。 21年9月7日の敵地・神戸では、“特例2021”の代替選手としてこの日昇格してきたばかりの彼に代打ホームラン&サヨナラ打を打たれて首位陥落。最大の山場となった同月28日からのホーム3連戦に至っては、彼自身の出場は一度もなかったにもかかわらず、SNSのタイムラインが試合開始前から「大下うるさい」であふれかえるほどの存在感を発揮した。「1勝でもすればマジック点灯」という断然ロッテ有利の状況で喫した、痛すぎるよもやの3連敗。優勝がどちらに...09Sep2023文春オンラインコラム千葉ロッテ野球
3ヵ月ぶり白星! 高校野球の“頂点”を知るロッテ・小島和哉が起こす“革命”をぼくらはまだ信じているロッテ選手たちの高校時代って、そう言えばどんなだったのかな。巷が夏の甲子園で盛りあがる最中。ふと思いたって、世田谷・八幡山の大宅壮一文庫に行ってきた。一応、ご存じない方のために補足しておくと、大宅壮一文庫は、明治期から現在までのありとあらゆる雑誌を収蔵している日本で唯一の雑誌図書館で、入館料の500円を払えば、誰でもデータベースにアクセスができて、15冊まで読むことができる(追加したいときは10冊ごとに100円)。いまや入手困難なあらゆるジャンルの貴重な資料もたくさん収蔵しているとあって、出版業界に身を置く人なら、一度は利用したことがあるであろう、言わば“御用達”の場所でもある。端末に好きなキーワードを打ち込むだけで、おもしろそうな...20Aug2023文春オンラインコラム千葉ロッテ野球
登板日の夜は徹マン、楽しそうに練習してると激怒…ロッテの大エース・村田兆治の“凄イイ”話杉下茂さん、北別府学さんと、昭和プロ野球を彩った大投手の訃報が相次いだことで、昨年亡くなったロッテが誇る大レジェンド、村田兆治さんのことをふと書きたくなった。折りしも、来たる7月6日。久方ぶりの開催となる東京ドームでの主催試合は、「ロッテオリオンズ誕生50周年記念」と銘打って行われた2018年と同じ、西武が相手。あの日の始球式には、スパイクも履かずにマウンドに上がって、内角低めに112km/hのストレートを投げ込んだ御年68歳の兆治さんの姿もあったのだ。そんなわけで、今回のコラムはやや唐突ながら、濃密トンデモな“兆治ばなし”。野球以外のことにはとことん不器用だった「昭和生まれの明治男」の生きざまを、81年のプロ入りから丸10年、とも...04Jul2023文春オンラインインタビューコラム千葉ロッテ野球
マリンの売り子歴28年目! コロナ禍で“声”を奪われたコーラ売り近藤さんの「ロッテと歩んだ1100日」ライトスタンドからの大声援、谷保恵美さんのアナウンス。そして、時折スタンドに響きわたる名物コーラ売り・近藤さんの「コーラと烏龍茶、ホットドッグはいかがですかー?」「ZOZOマリンスタジアムに欠かせない“音”と言ったら?」みたいな問いがもしあったら、ほとんどのロッテファンは、たぶんこの3つを挙げるのではなかろうか。なかでも、近藤さんは、もはやマーくん、リーンちゃん、ズーちゃんと同じくらいマリンには欠かせないマスコットのような存在。彼のちょっと甲高い、でもよく通るあの声を聴かないと「マリンに来た気がしない」という人もきっと少なくないだろう。今回はそんな“コーラ売りの近藤さん”こと近藤晃弘さんに直談判。2020年シーズンから続いたコロナ禍...07Jun2023文春オンラインインタビューコラム千葉ロッテ野球
「江村直也がいるから毎日が楽しい」ファン歴10年“江村女子”が701日ぶりスタメンマスクに歓喜した日育成出身の高卒6年目、森遼大朗にプロ初勝利をもたらした4月19日の日本ハム戦。ロッテファンにとってのいちばんのサプライズは、その球を受けた捕手が江村直也だったことだろう。期待の若手・松川虎生との入れ替わりで今季初の1軍昇格をつかんだ捕手最年長のプロ13年目。チームきっての“愛されキャラ”だが、基本はもしもの事態に備える“3番手”ポジションである彼がスタメンマスクを被ったのは、21年5月18日のオリックス戦以来、約2年ぶり。昨季は夏の終わりに一瞬ベンチ入りしただけで試合にすら出してもらえなかったぼくらの“エム”が、きっちり結果を出してみせたのだから、こんなにうれしいことはなかった。ちょうど次のコラムテーマをどうしようかと思案していたぼ...12May2023文春オンラインコラム千葉ロッテ野球
「今日、美馬さん出る?」小学生の娘とロッテを近づけてくれたのは佐々木朗希ではなく美馬学だった話野球が団欒の中心になることがほとんどなかったわが家でも、この春は少しだけ変化が起きた。さすがに小学校でもWBCは盛り上がっていたと見えて、これまでならチャンネルを変えると決まって「えーっ↘」となっていた野球中継にも「ニッポン、勝つかな?」と前のめり。とりわけ、上の娘はこちらが何も言わなくても「今日ローキ、投げるんでしょ?」なんてことを言いだすようにまでなった。もちろんそこには、仲のいいクラスの友達の何人かが地域の少年野球チームに入っていたり、体育の授業でやった「ティーボール」(ピッチャーの投げた球ではなくティーに置いたボールを打つやつ)が、ことのほか楽しかった、などなど、彼女と野球との距離を近づけた要因もいくつかはある。でもいちばん...08Apr2023文春オンラインコラム千葉ロッテ野球
福浦監督&井口GM体制で築く5年後の“めちゃ強”マリーンズを妄想してみたプロ野球のペナントレースも気がつけば、シーズン最終戦。2年連続2位の実績を引っさげ、「頂点を、つかむ。」と意気軒昂だったはずのわれらが千葉ロッテマリーンズは、優勝どころかクライマックスシリーズ(CS)にさえ進めず、5位という結果に終わりました。0対14という大敗でCS進出の可能性を完全に消し去った夜は、さすがに暗い部屋で一人、テレビはつけたままTHE YELLOW MONKEYの『JAM』を熱唱したくもなりましたが、終わってしまったことをクドクドと考えたって仕方がありません。マーティン&レアードの共倒れ、“方程式”の機能不全……などなど、やろうと思えば“戦犯さがし”だっていくらでもできそうな気はしますが、そんなことをしても気持ちはど...02Oct2022文春オンラインコラム千葉ロッテ野球
後半戦、ホームで大きく負け越しているロッテに一ファンとして思うこと「次、どんなテーマがいいですかねぇ。明るい話題、あんまりないですねぇ」なんてやりとりを、文春野球コラムのマリーンズ軍監督・近藤氏としたのは、夏の甲子園が佳境を迎えていた頃。試合によっては、おなじみのチャンテが両サイドのアルプススタンドから交互に鳴り響くこともあった熱戦続きの聖地では、平沢大河&西巻賢二の母校・仙台育英が快進撃。須江航監督による「青春は密」の名フレーズも生まれた劇的な“白河越え”が、日本中に感動を呼んだのは、その仙台でイーグルス相手に1安打完封負け。甲子園の優勝投手である小島和哉がまたも見殺しに遭った、ちょうど翌日のことでもありました。そして、フェンスに激突しながらもボールは離さなかった福田秀平の大ファインプレーなども...09Sep2022文春オンラインコラム千葉ロッテ野球
チームには“ウザい先輩”が必要だ。「手術9回」内竜也が語る“ロッテ愛”前半戦終了時点で貯金が「2」。よしよし、行けるぞ。などと気持ちも新たに、マリーンズ戦士たちがいつになく躍動したオールスターを満喫したのは、つい10日ほど前のことでした。にもかかわらず、いざ後半戦が始まってみると、いきなり食らった3タテに続いて、「そりゃあ、ウチだけが来ないはずないよね」と思うほかない『特例2022』の嵐も案の定吹きあれ、あっという間に借金生活に逆戻り。5日のライオンズ戦では、井口資仁監督から「勝ちパターンの投手がいなかった」なんていう悲しい敗戦の弁まで飛びだし、危惧されていた“投壊”も、もはや待ったなしの状況です。ですが、そんな苦境にあるチームには、得てして“救世主”もまた現れるもの。2020年の唐川侑己や澤村拓一(...07Aug2022文春オンラインコラム千葉ロッテ野球
福田光輝に期待…オリックスにあってロッテにないのは和製大砲よりギラつく若手の“我”の強さだと思う件なんだかすっかり遠い昔のような気がしなくもないですが、ロッテとオリックスと言えば、昨季の最終盤まで熾烈な優勝争いを演じた因縁の相手。オリックスが先に全日程終了で「隠れマジック1」。こちらが負けた時点で即終了の「マジック3」で迎えた敵地・楽天戦での佐々木千隼の涙には、多くのマリーンズファンが思わずもらい泣きをしたことでしょう。そもそも、コロナ禍突入までの直近3年間(2017~19)。観客動員数のワースト争いでデッドヒートを繰り広げていたのも、他ならぬこの2球団。「不人気」だの、「地味」だのと、好き放題に言われながらも、「うるせー、好きに理由なんてあるか!」と心のなかで言い返すしかなかった、どこか“似た者同士”な両者のペナント争いは、な...10Jul2022文春オンラインコラム千葉ロッテ野球
他球団ファンから「佐々木朗希すごいよね」と言われ続けるのは誇らしいけどちょっと複雑な件自分がマリーンズファンだと明かすと返ってくる主な反応のひとつに「ロッテって応援すごいよね」というものがあります。いや、「ひとつに」なんてうっかり書いてはみたけれど、ディープな野球ファンでもない限り、大多数の人のファーストリアクションはまず間違いなく「応援すごい」。少なくとも“コロナ以前”の日常会話のなかで、そこで具体的な選手名を挙げて、アゲてくれるなんて人には、ほとんどお目にかかったことがありません。もちろん、ぼく自身もマリーンズの応援は大好きだし、誇りに思うひとつ。福浦和也の引退以降、全選手が年下となってしまったいまとなっては、さすがに外野席で汗だくになって飛び跳ねる元気はないけれど、本拠地マリンのどの席で観るのが好きかと言ったら...03Jun2022文春オンラインコラム千葉ロッテ野球