野球が団欒の中心になることがほとんどなかったわが家でも、この春は少しだけ変化が起きた。
さすがに小学校でもWBCは盛り上がっていたと見えて、これまでならチャンネルを変えると決まって「えーっ↘」となっていた野球中継にも「ニッポン、勝つかな?」と前のめり。とりわけ、上の娘はこちらが何も言わなくても「今日ローキ、投げるんでしょ?」なんてことを言いだすようにまでなった。
もちろんそこには、仲のいいクラスの友達の何人かが地域の少年野球チームに入っていたり、体育の授業でやった「ティーボール」(ピッチャーの投げた球ではなくティーに置いたボールを打つやつ)が、ことのほか楽しかった、などなど、彼女と野球との距離を近づけた要因もいくつかはある。
でもいちばんはやっぱり、娘の出席番号がずっと変わらず「15番」なこと。そして、ロッテの「15番」がその間、ずっと美馬学だったこと。たぶん、このことに尽きると思う。
あらためて文字にしてみると、なんだかちょっと大げさな感じもするけど、でも、ずっと「父親をバカみたいに一喜一憂させるもの」でしかなかったプロ野球に、彼女が「近づいてもいいかな」と自分から思うようになったきっかけは、間違いなく、美馬なのだ。
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